スコッチウイスキー 第5回 シングルモルトの作り方

ポール@ 駅馬車

2009年06月20日 20:10

今回から、『モルトウイスキー』 について、もう少し深く掘り下げていきます。
まずは、その作り方について、お話したいと思います。


前回のおさらいになりますが、
『モルトウイスキー』 というのは、『モルト』 のみで作られたウイスキーです。

『モルト』 とは、麦芽のことです。

この発芽させた大麦を原料にモロミを作るわけですが、放っておいてたら、
どんどん成長していってしまいますよね。
そこで、発芽の進行をとめるために乾燥をさせるのですが、
この時に使用するのが、『ピート(泥炭)』 です。

『ピート(泥炭)』 というのは、泥状の炭のことです。
そのまんまですね。
低気温地域の沼地で枯れた植物が堆積でしてできたもので、スコットランドでは、当たり前にあるものです。

この 『モルト』 からモロミを作り、単式蒸留器(ポットスチル)にかけます。
ポットスチルの大きさや形態が蒸留所によって異なり、この違いが個性に影響していると言われています。


できた蒸留されたばかりのお酒(ニューポットと言います)は、無色透明です。
このニューポットをオーク樽に詰め、熟成させます。
熟成に使う樽は、主に中古のもので、シェリー樽やバーボン樽が多く使われています。


いくぶん端折っていますが、こんな風に 『モルトウイスキー』 は作られます。

全くと言っていいほどに決められた手順の中で、『モルトウイスキー』 の個性は、
幾つかの要因によって決まります。
   ◆ 蒸留所のある地域 (立地)
   ◆ ポットスチルの大きさや形状
   ◆ 熟成する樽の種類
 
特に蒸留所の立地が与える影響は大きく、地域の違いによる風味の差は驚くほどです。


つづく
次回は、『モルトウイスキー』 の地域別特徴についてです。

関連記事