第2回では、『ブレンデッドウイスキー』 についてでした。
今回は、ブレンデッドの材料である
『モルトウイスキー』 と 『グレーンウイスキー』 についてです。
『モルトウイスキー』 というのは、『モルト』 のみで作られたウイスキーです。
『モルト』 とは、麦芽(大麦麦芽)のことです。
『 MALT’S 』 というビールがありますが、ビールの原料と同じ、あの麦芽です。
『モルト』 を原料としたモロミを、
単式蒸留器(ポットスチル)にかけて熟成させたものが、『モルトウイスキー』 です。
一方、モルト以外の材料で作られたものが、『グレーンウイスキー』 です。
『グレーン』 というのは、穀物のことです。
この場合は、"トウモロコシ" や "小麦"、"ライ麦" など、『モルト』 以外の
穀物のことを指します。
『グレーン』 を原料したモロミを、
連続式蒸留器(コフィースチル。またはパテントスチル)にかけて熟成させたものが、『グレーンウイスキー』 です。
連続式蒸留器は、効率が良く、大量生産が可能ですが、欠点が2つありました。
1つは、風味が損なわれること。
何を使用しても味に変わりがないため、次第に 『モルト』 は使われなくなり、
より安価な 『グレーン』 を使用するようになりました。
もう1つは、連続式蒸留器が特許(パテント)に守られていて、非常に高額なこと。
このため、導入することができたのは、スコットランドでも、
エディンバラやグラスゴーなど都市部の大きな資本と市場を背景にしたロウランド地区の蒸留所だけでした。
非常に多くの 『モルトウイスキー』 がある一方、
『グレーンウイスキー』 を見かけることは、ほとんどありません。
『グレーンウイスキー』 は、ほぼブレンデッドウイスキーに使用され、
表にでることが少ないためです。
ただ、ほんの少しですが、『シングルグレーンウイスキー』 が
存在するそうです。
僕は、10年ほど前に1ショットだけ飲んだのですが、正直よく覚えていません。
あまり美味しいと思えなかったことだけ、なんとなく覚えています。
そんな具合ですから、もちろん、
駅馬車には『シングルグレーンウイスキー』 はありません。
つづく
次回は、『モルトウイスキー』 について掘り下げていきます。